なぜ「フェイスを開く」の?

皆さんがよく耳にしている、「フェイスを開いて・・」とか「フェイスが開いた・・」とか聞くと思います。
フェイスを開いて使うことの出来る上級者の方は、簡単なことですが、初心者の方から中級者の方は、旨く理解できない方がおられます。
「フェイスが開いた」は、ミスショットです。

なぜフェイスを開くの?

フェイスを開くということは、クラブフェイスのロフト(角度)を増やすことなのです。
つまりフェイスを上向きに修正することです。

逆にロフトを下向きに修正する時は、「フェイスを閉じる」「フェイスを立てる」と言います。
あるいは、クラブをロフトの立ったクラブに変更する「番手を上げる」ことで調整できます。
フェイスを開いて一番使用するサンドウエッジ(SW)は、これ以上ロフトの多いクラブは持ち合わせがないので、フェイスの開き具合で調整します。

サンドウエッジによっても違う

一般的なSW(クラブのセット品)や単品のSWでも、ロフトが56°、58°、60°などが使用されます。
バンス角と呼ばれるSWのフェイスの厚みが多い物から、薄い物まで各種あります。
バンス角が大きいとフェイスの厚みが厚くなり、バンカーショットの時に、砂に刺さりにくく、初心者向けです。
反対に、バンカー以外の地面やサブグリーンのカラー部分などで、フェイスを開いて使用すると、フェイスの歯の部分より先にバンスが地面に当たってしまい、トップなどのミスショットが出やすくなります。
なので、フェイスを開いて使用する機会の多い上級者やプロは、バンスの少ない(薄い)SWを好みます。
又、60°のSWを入れているプロもいます。

なぜプロはフェイスを開くのか

一般的にクラブロフトが大きく成るに従い、バンス角も小さく厚みの薄いクラブになります。
男子プロのバンカーショットを見ると、フェイスが真上を向く位に開いています。
58°か60°のSWなのに何故?と思われるでしょう。
プロがプレイするコースは、バンカーが砂が少なく硬いバンカーはありません。
バンスの少ないSWを使用している為、砂に刺さらないように開いて使用しているのです。

逆にバンスの大きな56°のSWを使用しているアマチュアゴルファーの人が、あごの低い上げる必要のない、砂の少ない硬いバンカーで、「バンカーショットはフェイスを開かないといけない」との教えの通りに、フェイスを開いて打つとバンスが砂の下の地面に当たって弾かれて、トップしてホームランなどということになります。

又、60°のSWはフェイスを開かなくても良い場面では、56°のSWはフェイスを開かないといけない場合があります。
バンカーショットのフェイスを開くか開かないかは、ミスショットを防ぎ、どれだけボールを上に飛ばす必要があるかで決まります。
ボールを上に飛ばすことで、短い距離を調整します。

プロのプレイするコースは、グリーンが硬く速い為に、ボールにスピンを掛けないといけません。
スピンを掛ける為にフェイスを開いて、ボールとクラブフェイスの接触面積を長くしています。

バンカーとラフショットはボールを打たない?

ガードバンカーのショットは、ボールとフェイスは接触しません。
砂と一緒にボールを爆発させるショット(エクスプロージョンショット)と云います。
深いラフのショットも、ボールとフェイスとの間に芝が挟まって、ボールとフェイスは接触しません。
なので、クラブフェイスは右方向を向いていても、ボールは振った方向に飛びます。

しかしフェアーウエイバンカーは、ボールをクラブで直接打ちます。
どんな場面でもバンカーショットは、「フェイスを開いて打つ」は間違いです。
但し、脱出するあごの高さによっては、6番・7番アイアンでも少しフェイスを開いて弾道をコントロールすることもあります。
なので、フェイスの向きは飛んで行く方向と関係があります。

ラフの場合は、芝の長さで判断します。
フェイスとボールの間にどの位芝が挟まるのか。
芝の強さがどの位か。クラブの抜けは良いか?。
などの条件を加味して、少しフェイスを開いてクラブの抜け具合を良くします。
ヘッドスピードのある人は、フェイスとボールとの間に芝が挟まると、ボールにスピンが掛からない為に、「フライヤー」という現象でボールが飛び過ぎてしまうことがあります。
フェイスを開くことで、弾道を上方向にフライヤーさせることで、フライヤー防止になるのです。

どうしてフェイスを開くのか。
開かなくて良いのか分かってもらえたでしょうか。
これを理解することで、スコアが2~3ストロークアップするでしょう。


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